ラブハンター
いつも強気で、ひとりだって平気な顔してる斎藤が…。



ポロポロと泣いている…。



「ごめん…。余計なことした…」

「何で杉田が謝んのっ!!あたしがっ、期待なんてしたからっ!!」

「俺が自分で勝手にしたことだ」

「ごめんっ、ごめんなさいっ…」



崩れ落ちるように、床に座って号泣。



違う、泣かせたかったわけじゃない。



俺は…斎藤に笑ってもらいたいのに。



「斎藤、泣かなくていいよ。俺はちゃんと生きてるし」

「だからもう…関わらないでっ」

「なんで?俺、生きてんのに。まだ斎藤もらってない」

「そんな約束あの男が守る訳ない…」

「わかんないじゃん。俺は今日、そのために来た」



思い切り首を横に振る斎藤は、もう言葉にならないくらい泣いている。



バカなのか、俺は。



斎藤を笑顔にしてやりたい…。



今のままのカラダでレオ先輩に会ったら…俺は本当に死ぬかも。



だけどこんなに泣いてる斎藤を見て見ぬふりはできない…。



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