ラブハンター

ケント

【ケント】



デカいからなんだよ。



目の色が違うからって。



無口だからって。



誰かに迷惑かけたかよ。



「目障りなんだよ」

「…………」

「何とか言えよコラ」



イジメなんか昔から。



日本に来たのが９歳の時。



無口なのは日本語が話せなかったから。



『ケントくんって、なんだか怖いね…』

『睨まれた』

『何考えてるのかわかんない』



よく言われた言葉。



小学生だった頃は靴がなくなったり、教科書に落書きされたり、主に仲間外れ。



中学に入ってからは、それがひたすら暴力に変わった。



いつの間にか人間が嫌いになっていて、誰にも心を開かなくなっていた。



そんな俺、今はシェアハウスで他人と暮らしている。



家主との出会いは偶然で、ケンカの帰り道、コンビニでよっさんに会った。



『お前、友達いねぇだろ』



急に話しかけられた言葉がそれ。



そりゃあいないけど。



イラッとして、頭に血がのぼった。



< 11 / 340 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop