ラブハンター
俺がデートなんかするわけないじゃん。



「白咲のこと、好きになる気ないから」

「そうですか~」

「今のも聞かなかったことにしたわけ?」

「はい。だって、ずっと好きって言い続けたら、先輩も好きになってくれます」



何を根拠に。



俺は誰も好きになったりしない。



痛い思いはもうたくさん。



「カラダだけなら好きになってあげる」

「心が先ですよ」



バカか。



こんなにカワイイんだから、俺なんかじゃなくてもいいだろ。



ベッドに座る俺の下までやってきた白咲は、俺を見上げてまた言う。



「先輩、好きです」



本当に嬉しそうに言うから、胸に突き刺さる。



やめとけばいいのに。



「お前、俺の女友達にイジメられちゃうよ?」

「イヤですね、それは」

「じゃ、別れようか」

「もっとイヤです」



あっ、怒った…。



カワイイ顔しやがって。



プニュッと頬を掴むと、また嬉しそうに笑う。



ヤバいヤバい。



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