ラブハンター
悠大なんか顔もよくて、ダンスとかめちゃくちゃうめぇし。



頭もいいみたいなのに、何の悩みがあるんだ。



「どうやったら彼女の中の元カレって出てくんスかね」

「は!?」

「なんつーか、忘れさせてやることって難しいのかなって」



よくわかんねぇ。



彼女の中の元カレ…。



もしかして、杏里ん中にも元カレがいるとか…。



あり得そうな気がしてきた。



男作らないとか、なんか、引っかかってたし。



気になり出すと聞かなきゃ気が済まない性格。



次の日は大学もバイトも上の空で、帰りのことだけ考えていた。



当たり前のように一緒の帰り道。



「はい、コレあげる」

「何でコレ?」

「昨日早く上がったし。疲れてんのかと思って」

「ありがと…」



ビタミンドリンクをもらい、仕方なく飲み干した。



悩ませてんのはお前だよ。



わかってねぇのか、わかってて俺を振り回してるのか。



「寄り道、する?」

「お金ないよ」

「俺出すから」

「ならする」



いつものラブホ。



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