ラブハンター
目の前に突きつけられたケータイ。



待ち受け画面…。



コレ…まさか…。



「あたしの息子。カワイイでしょ?4歳なの」

「むす…こ…?」



小さな男の子がいた。



笑ってて、幸せそうな…。



「あっ、ダメなママだと思った?夜働いて、尚道とこんな関係で」

「違っ…」

「夜働くのは、起きてる時に息子といっぱい話したいから。今は実家で寝てる。あたし、バツイチなの」



まったく想像もしてなかった。



いや、俺の想像を遙かに超えたといったほうが正しい。



今目の前にいる杏里に息子がいたなんて…。



「あたしのいちばんは、息子だから。あたしがいなきゃ、息子はひとりになっちゃう」

「…………」

「だから、あたしは男に頼るつもりも、好きになる気もないの」



言葉が出ない。



なんて言えばいいかわからない。



知りたかった真実が、予想もしないことすぎて。



「ソレ、引いてんの?」

「ただ…びっくりしただけ…」

「ふぅん」



だったらなんで俺に甘えたりしたんだ?



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