ラブハンター
涙が止まらなくなった杏里を引き寄せて、背中をさすった。



ティッシュを渡し、ただそばにいる。



今の俺には子供をひとりで育てるなんて想像もできないけど。



きっと、本当に疲れてたんだ…。



初めてわかった、杏里のこと。



何で俺にカラダを求めたのか、それもわかった気がする。



「誰かに頼りたくなるときはあるよ」

「でもっ…」

「杏里は誰にでもそういうことするような女じゃないでしょ」

「そんなの…わかんないじゃん…」

「俺はバカだから信じちゃうけどね」

「ずるいよ、尚道…」



杏里がわかったのに、これからどうしたらいいのかは、まったくわからない。



でも…今の俺は気分がいい。



「今度デートしてよ」

「ムリに決まってんでしょ!!」

「俺を息子くんに紹介すんのは友達とかでいいから。たまには息抜き、大事でしょ」

「息子も一緒ってこと…?」

「ん、息子くん込み。名前、なんての?」

「千里(センリ)…」

「ははっ!!親子っぽい!!」

「あたしの子だもん…」



杏里が弱いってこと、初めて知った。



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