ラブハンター
安易に付き合うとか、好きだとか。



そういうの、言っちゃダメな気がしてきて。



今は杏里のそばにいてやりたいと思う。



「で、今日はもう帰る?」

「まだ…帰らない…」

「風呂入ろう。で、俺の力使い果たして帰る」

「なにソレ、エロい…」

「先に誘ったのは杏里ですけど。やめとく?」

「やめとかない…」



杏里が俺をどう思ってるのかなんてわからない。



だけど、カラダを重ねてる時だけは素直に手を伸ばしてくれる。



「尚道っ…」

「杏里…今はなにも我慢しなくていいから…。杏里の全部、俺に見せて?」



キスの暖かさと、杏里が俺に触る瞬間。



そういうのが増えた気がした。



「えっ!?中学ん時バンドやってたの!?」

「うん、歌うのが好きだったから」

「まさか元旦那もバンドマン?」

「あぁ~…、そうだね…」

「ギター?ベース?ドラム?」

「ベース…」

「あっそう。わかった」

「なにが!?」

「なんでもない!!」



新しいこと、見つけた。



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