ラブハンター
部屋に入ったらびっくりするくらい静か。



俺はくっつきたくて、斎藤を引き寄せる。



「もっと近くにいたいんだけど」

「あっ、うん…」



熱でもあるんじゃないかってほど、終始顔が赤い。



カワイすぎ、斎藤…。



だけど…。



手を握るたび、引き寄せて抱きしめるたび、斎藤のカラダは俺を拒否する。



それはほんの一瞬感じること。



俺が斎藤に触れるたび、ビクビクしてるんだと思う。



コレ、たぶん癖…。



レオ先輩が斎藤につけた癖だと思う。



聞きたくて、聞けなくて。



だけど悩むのもイヤで。



俺はもっと斎藤と深くなりたいんだ。



「斎藤、俺が怖い?」

「こ、怖くないけど…」

「ん、そっか」

「なんで…?」

「ううん、何でもない」



本人も気がついてない…。



なぁ、斎藤は先輩からどんなことされて来たんだよ…。



どうしたらそんな風に怖がるようになんの?



愛されすぎてたんだとは思うけど…悔しいよ、俺。



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