ラブハンター
飲み物を斎藤に渡して、また引き寄せる。



ほら、まただ…。



小説を読んでる斎藤の後ろで、お腹に手を回した。



「なぁ…」

「なに…?」

「俺だよ…」

「なにが?」

「一緒にいんの、俺」

「知ってる、杉田でしょ」

「悠大って呼んでいいよ」

「ヤダ…」



耳まで真っ赤。



やっぱカワイイな、斎藤…。



「ルカ」

「はい!?」

「って、呼んでいい?」

「か、かまわないけど…」

「ん~、好き」



背中に顔を押しつけた。



甘い香水の匂いがする…。



今、どんな顔してんだろ。



「悠…大…」

「はぁい?」

「呼んでみた…だけ…」

「嬉しい、ルカ」

「もうヤダ…。息できなくなりそう…」

「ははっ!!」

「あのねっ、あの…幸せ…です…」



胸が苦しくなった。



ルカはルカなりに頑張ってる。



あんな癖なんて、些細なことかも…。



気にするだけムダなのかな~。



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