ラブハンター

ケント

【ケント】



なんなんだ、アイツ。



陽の頭の上に花が咲いてる…。



引きこもってたと思えば、今度はニヤニヤしながらボーッとしてる。



気持ちわりぃヤツ…。



「陽、気持ち悪い」

「おかえり、悠ちゃん」

「なんかいいことあった?」

「教えないニャ~」



俺の猫を抱っこして、潰しそうなくらいギュッと…。



死ぬからやめろ。



ガツンとゲンコツ。



「俺んだ」

「ジョーはみんなの猫だ」

「勝手に名前つけてんじゃねぇ」



猫は猫だろ。



まず、命名権はお前にない。



「えっ、コイツってナターシャじゃなかったんスか?」

「センスなさすぎんだろ。誰がそんな名前…」

「よっさん」

「猫はオスだ」

「でも名前くらい付けてやんなきゃ可哀想ですよ」



悠大にそう言われ、悩んだけどなにも浮かばない。



寝る前、若菜に電話で相談した。



「マルチネス」

「は…?」

「正確には、マルチネス・アンダーソン3世ですよ」

「お前まで勝手に…」

「面倒だから心の中でマルちゃんって呼んでましたけど」



変な名前つけやがって。



< 161 / 340 >

この作品をシェア

pagetop