ラブハンター
次の日、リビングで目撃した尚道。



「玉之助はもうメシ食ったのか?」



コイツも勝手に名前を付けていたことにガッカリした。



玉之助って…。



「勝手に呼ぶな…」

「なら名前考えてやれよ」



みんなそう思ってるらしく、その日は仕方なく若菜と緊急会議を開いた。



名前なんて…別になんだっていいだろ。



「そう言えばケントさんって、なに人ですか?」

「は…?」

「国籍とか、知らないな~と思って。まず、ハーフなんですか?」

「まぁ…」

「どこの?」



って、言わなかった俺も俺だけど、それ聞くの、今更すぎるぞ…。



深山って名字は、日本に来てからだ。



「親が離婚してる。今は日本国籍。前はフランス国籍」

「お名前はケントだけですか?」

「…………」

「ミドルネームって、持ってたりするのかなぁって」



なんだ、お前。



知りたいのか。



日本に来てから、誰にも呼ばれたことないぞ。



「笑うからヤダ」

「笑いませんよ!!」



教えねぇ。



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