ラブハンター
何人家族とか、将来の夢とか。



俺から若菜に質問することって、滅多にない気がする。



「ここで大丈夫ですよ」

「家まで送る」

「母に見られたらうるさそうなんで。ありがとうございました」

「ん、じゃあな」

「また明日」

「あっ、明日はダメ」

「ご用事ですか?」

「ん」



仕事入れてもらってたんだ。



夏休みは若菜と遊びてぇから。



「わかりました…」

「バイト」

「えっ!?なんの!?」

「家主の手伝い」

「そんなことしてたんですね~」

「じゃあ明後日」

「はい!!」



若菜に聞かれたら答える。



コレが俺たちの普通で、俺は若菜って存在があればいいって思ってた。



でも、もっと若菜を知りたいから…。



ちょっとずつ、若菜にいろんなことを聞こう。



見えなくなるまで手を振る若菜をまたカワイイと思い、来た道を引き返した。



帰った家ではソファーにいる花男がやっぱりニヤニヤ中。



気持ち悪いったらありゃしねぇ。



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