ラブハンター
杏里も車で来るって言ってたし。



先に着き、駐車場に車を止めた。



ドキドキしてきた…。



しばらくしてやってきた杏里は黒の軽自動車から降り、千里くんの手を引いてる。



うわぁ、似てる…。



カワイイ~…。



ってか杏里、別人だろ…。



「ごめん、待った?」

「いやいや、今来たとこ」

「千里、ご挨拶して?」



恥ずかしいのか、杏里の後ろに隠れてしまった。



車から降りて同じ目線になってみる。



「こんにちは。俺、尚道」

「知ってる…」

「魚好き?」

「好き…」

「魚、見に行こうか」

「行く…」



イマイチ、どう扱えばいいのかわからないけど。



苦笑いの杏里は、自分の車から何かを取り出した。



「コレに乗せないとダメなの」

「なに、コレ」

「ジュニアシート。後ろ開けて」



そんなのが必要だなんて、全く知らなかった…。



車に乗った杏里と千里くん。



「助手席がいないってのも不思議なもんだな…」

「ごめん、千里が離れない」



不安そうだな…。



< 176 / 340 >

この作品をシェア

pagetop