ラブハンター
後部座席のふたりを見て、本当に親子なんだと実感する。



似てるし、千里くんは杏里にべったり。



「少し遠いからなんか買おうか」

「コンビニ寄って~」



コンビニで買ったジュースを千里くんに渡した。



無口だな…。



「ごめんね、なんか…」

「いやいや、俺も緊張してるんで…」

「なんで尚道が?」

「杏里、いつもと違いすぎ…」

「あははっ!!ママはいつもこんなだよね~?」



巻き髪に、スカート。



化粧がナチュラルではなく、つけまつげとか。



なにしても美人は美人だな。



「ママいちばんカワイイ」

「千里もいちばんカワイイよぉ~」



俺には入り込めない親子の会話。



困りました。



今日1日、やって行けるだろうか。



しばらく無駄話をしながら車を走らせたら、千里くんが寝た。



「隣行きたい」

「じゃ…どっか寄る」



近くにあったコンビニに寄ったら、杏里が助手席にやってきた。



これもこれで照れる…。



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