ラブハンター
カワイイ杏里に触りたくて、バックミラーで寝てる千里くんを確認してから手を握った。



「なに?」

「別にいいじゃん…」

「いいけど…。こういうの…照れるよね…」

「あははっ!!」



このまま離したくないけど、千里くんが気になりすぐに手を離して。



運転に集中。



「杏里さぁ…」

「なに?」

「いつもと違いすぎ…。ってかママに見えねぇよ…」

「そりゃあ休みの日くらいちゃんとオシャレするもん」



助手席に移動した意味はなに?



ってのは聞けなくて。



いつもより口数が減ってしまう。



「尚道」

「なに?」

「呼んでみただけ」

「そうスか」

「あのさぁ…」

「ん~?」

「引いたの?」

「なにに!?」

「千里の…存在に…。尚道喋んないし…」

「それはない。杏里に似ててカワイイし。まぁ、正直気は使うけど」

「それって後悔?」

「違います。頑張る気満々だしね。杏里が心配するほど、細かいことは気にしない主義だから」

「バカだね、尚道」



バカだよ、俺。



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