ラブハンター
部屋に戻ったら、スミレが心配そうに俺を見つめた。



「変なとこ見せたなぁ~」

「先輩…」

「気にしなぁい!!で、誰もいなくなったわけです」

「はい…」

「抱っこさせて?」

「それだけでいいんですか?」

「うん、ギューすんの」



ベッドに座り、スミレを膝の上に乗せて抱きしめた。



落ち着く…。



スミレの泣き顔なんて、もう見たくない。



最近は悠大たちも楽しそうなのに…。



アイツらの笑顔を壊すことは…したくないのに…。



「スミレ~」

「なんですかぁ?」

「俺のこと好きぃ?」

「大好きですよ」

「俺もスミレ、大好き」

「悲しいですか?それとも、怒ってるんですか?今の先輩、あたしよりちっちゃい気がします」



わかってほしくないのに。



今、触れられたくない部分に、触れないでほしい…。



スミレが悪い。



「痛いこと、していい?」

「今なら…許してあげます」

「手加減できそうにない」



ごめん、スミレ。



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