ラブハンター
なんだかよくわかんねぇけど、コイツは今寂しいのかも。



俺みたいに誰かに恋でも…って、それを悠大が奪ったのか…。



「お前、あの女のこと…」

「ルカ?超美人だろ~」

「…………」

「カゴから出してやるつもりはなかったんだけど。そばに置いといたらいつか殺す気がしたから手放しただけ」

「お前、歪みすぎ」

「わかってるからやったんじゃん。あの悠大ってヤツ、優しそうだし。だからヒマ」



上条も上条で悩んだりしたのかもしれない。



たぶん、本気で好きだったんだろうから…。



「俺、今から女に会う」

「マジで!?ケンちゃん、女いたのか」

「だからヒマじゃねぇ」

「どんな女?ケンちゃんの女だから…悪魔みてぇなヤツ?」

「普通のヤツだ、バカが」

「そうですかぁ~。じゃ、また来る~」



あっさり帰って行った上条の後ろ姿は、やっぱりどこか寂しそうだった。



あの上条にこんなにダメージを与える『別れ』というものを、俺は絶対体験したくない。



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