ラブハンター
公園に着くと、いつものベンチに座ってる若菜。



俺を見つけて花が咲いたように笑顔を向ける。



若菜のその笑顔に、また癒される。



「遅くなった」

「そんなに待ってないですよ」

「あちぃな…」

「そうですね~。もう夏ですもんね」



ジリジリとした暑さ。



毎日ここで話すだけ話してる俺たち。



「明日から違う場所にする」

「どこですか?」

「涼しいとこ」

「ケントさんの部屋とか?」

「それはダメだ。別の場所がいい」



ムラムラすんだよ、若菜と部屋にいるのは。



だからダメ。



「お前の家の近く」

「近くに涼しいとこ…カフェとかコンビニくらいですかね?」



金がかかるのはヤダ。



ただ話したいだけだし…。



ひとまず保留にし、日陰で若菜と話した。



「それで、その先生がひどいんです。宿題、プリント5枚なんて異常ですよね?」

「ん」

「怒られたくないからおうちに帰ってやりますけどぉ~…」



相変わらず若菜のペース。



< 206 / 340 >

この作品をシェア

pagetop