ラブハンター
最近はいつも若菜を家の近くまで送る。



今日はメシ当番だから、帰りに寄り道して食材を調達。



暑くて作る気がしねぇけど、これがルールなので仕方ない。



なにげに普通の料理を作る俺たち。



陽は器用に何でも作る。



しかもマズかった試しがない。



悠大はダメだ。



アイツの少ないレパートリーは、カツ丼、牛丼、カレー、野菜をちぎっただけのサラダ。



今日は冷蔵庫にあったのを忘れて玉子を買ってしまったので…茶碗蒸しを作ろう。



暑いから、冷たいヤツ。



「ただいま」

「ん」

「なに作ってんスか?」

「茶碗蒸し」

「すげー…。茶碗蒸しなんて、俺には買わなきゃ食えないものですよ…。って、陽は…」

「さぁな」



まだ引きこもってる。



よっさんが朝に置いたパンがそのままだ。



「心配だから覗いてみません?」



ちょっとおもしろそうで、悠大の提案に乗った。



カギは外側からも開くようになってるので、音を立てないように…。



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