ラブハンター
黙ってベースを弾き続けた。



前ほどバイトを入れなくなった俺。



ヒマな時は家で過ごす時間が増えた。



バイトが終わると、杏里から電話かメールが来る。



「疲れたぁ~…」

「お疲れ~」

「尚道は休めた?」

「ん、かなりゆっくりしてた」

「尚道がいないと仕事増えるんですけど」



他愛のない話し。



でもそろそろ…。



デートしたいと思ってるんですが。



「今週、どっか行かない?」

「それって…」

「千里くんと3人で」

「どこ行くの?」

「暑いからプールとか海とかどう?」



海に行きたいと言い出した杏里。



よし、連れて行く。



「その前に、今週はうち来ない?」

「杏里んち!?」

「この前の水族館のお礼」



杏里と千里くんち…。



ふたりでアパート暮らしだとかって言ってた。



夜だけは杏里の実家で寝てるらしい。



行きたいってか、興味はある。



「生活キツいから奢れないしさ」



それはわかってます…。



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