ラブハンター
杏里と俺のシフトが同じ休みの日、陽がいなくなってから1週間が経っていた。



大学が終わり、杏里と待ち合わせたのは、前と同じ駅。



初めて杏里の車に乗る…。



「尚道だ」

「千里くん、久しぶり」

「うん、こんにちは」

「あっ、こんにちは…」



どうやら俺のことは覚えててくれたらしい。



杏里が運転する車に乗り、後部座席に千里くん。



やっぱりオフモードの杏里はカワイイ…。



「ちなみに、狭いからね?」

「気にしなぁい」

「尚道って嫌いな食べ物ない?」

「ない」

「よかった」



案外近い杏里の家。



2階建てのアパートの、1階の角。



杏里の住む部屋…。



「お邪魔します…」

「尚道、サメ見る?」

「ん、見る」

「ママ、サメ!!」



二部屋とキッチン。



千里くんとふたりなら、ちょうどいい広さ。



「杏里の匂いがする…」

「変態」

「なっ!?」

「適当に座って~」



だって、部屋の中が杏里の匂い…。



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