ラブハンター
テーブルの前に座ると、千里くんがサメを引きずって持ってきた。



「おうちで寝る時は一緒に寝てるんだよね?」

「でもママに取られるの」

「余計なことは言わなくていいから…」

「ママがサメ、ギューって潰すんだよぉ」



か、カワイイよ、杏里…。



少し赤い顔になった杏里はキッチンに行ってしまった。



千里くん、カワイイな…。



「あっ、手ぶらじゃなんだから、ケーキ買ってきたよ」

「ケーキ!?」

「ママに持って行ってくれる?」

「うん!!ママ~、尚道ケーキ!!」



ママ…か。



本当にママなんだよな、杏里…。



そのとき目に付いたサッカーボール。



千里くんにはまだ大きいサイズで、真新しい。



「尚道、ケーキありがとう」

「…………」

「尚道…?」

「ん!?」

「サッカー…したいの?」

「いや…」

「あたしサッカーとかよくわかんなくてさぁ~。よければ千里に教えてあげてよ」



サッカーを…?



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