ラブハンター
考えることが減ったサッカーを、こんなとこで思い出すとは…。



「尚道、サッカーできる!?」

「ん~…」

「ママが一緒にやんないから!!幼稚園でみんなやるのに」



ボールを手にした千里くんは少し寂しそうな顔をした。



渡されたのは、久しぶりに触る感触。



「幼稚園、おもしろくない。みんなへたくそって言うから」

「やろっか、サッカー」

「お外行く!?」

「ん、行く。杏里、近くに公園ある?」



千里くんとサッカーするくらい、なんてことないと思う。



3人でやってきた、空き地のような公園。



「尚道~!!やるよぉ~!!」

「おぉ、俺まで蹴ってみて」

「えいっ!!」



どこに蹴ってんだよ…。



カワイイなぁ…。



「尚道、サッカーうまいの?」

「うまいよ~」

「へぇ~…」

「信じてねぇな?まぁ、久しぶりだからどうかな…」



リフティングなんて、何年ぶりだろ…。



この感覚、たまんない…。



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