ラブハンター
そんな俺の姿を見た千里くんはキラキラした目で駆け寄ってきた。



「尚道すげー!!」

「すごいね!!」



この親子はマジで…カワイイなぁ!!



そっくりな笑顔。



抱きしめたくなんだろ~…。



「じゃあ千里くん、ボール、ここで蹴ってみて」

「ここ?」

「まずボールがデカいと思うんだけどね…」

「デカい!!幼稚園の、もっとちっちゃい」



苦笑いの杏里。



重そうにボールを蹴る千里くんは夢中でボールを追いかけていた。



昔の俺みたいだ…。



「尚道…なんかあった?」

「なんで!?」

「サッカー…好きなのにやめちゃったとか…」

「ケガしてね。本当なら今頃日本代表で前線にいるはずだったんだけどなぁ~」

「ごめっ…」

「終わったことだし」

「好きなんだね、サッカー…」



好きだね。



今でもたまらなく好きだ。



「ケガって…」

「昔事故に合ってさ~。医者に、歩くのもムリって言われたんだけど、歩いてるわけで」



大事な大会の前だった。



< 217 / 340 >

この作品をシェア

pagetop