ラブハンター
今、本気でサッカーをするなんて考えもしなかった。



たぶん、足はあのままだろうし…。



「ははっ!!ムリムリ」

「やってみなきゃわかんないかもよ?尚道、まだ若いんだから」

「杏里とタメだからね」

「あたしはママだから。オバサンなんです~」



オバサンには見えない杏里に、元気をもらった気がした。



サッカーが大好きだ。



やれるもんならやりたい。



やれないのは、俺の弱さか?



「プロになれなんて言ってるわけじゃないし。趣味程度なら、誰も文句言わないでしょ?」



グサッと刺さったその言葉。



俺の中で、サッカーに対する野望みたいなモノが大きすぎたんだ…。



プロになって、世界で戦って…。



そうしなきゃ、サッカーをやる意味がないって…。



「尚道~!!パ~ス!!」

「どこ…蹴ってんだよ…」

「取ってぇ~!!」



好きなんだ、サッカー。



千里くんみたいに、素直に楽しめばいい。



頑なに離れる必要は…あったのか?



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