ラブハンター
靴は脱がないし、チリひとつない廊下。



どっかのホテル!?



螺旋階段って…。



何だよこの高そうな花瓶…。



「ねぇ、あなた何者?」

「私はこの屋敷の一切を取り仕切ってる者です」

「執事?」

「そうです」

「へぇ~」



ルカを連れてきてよかった…。



ルカ、度胸だけはあんだな…。



すげーよ、マジで…。



しばらく歩くと、ひとつのドアの前で止まった。



「坊ちゃん、失礼しますよ?」



優しい声に、中からは全く音が聞こえない。



開けた部屋は真っ暗で、カーテンが引かれていた。



まさかまた引きこもり…?



「お疲れですね。珍しく眠ってます」

「お疲れ?」

「昔から陽坊ちゃんは集中すると、時間を忘れてしまうんです。飲まず食わずなんて当たり前ですから」



何に集中してんだよ。



散らかってるのは参考書。



電気を着けたら、ベッドで丸まってる陽がいた。



痩せたっつーか…やつれた?



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