ラブハンター
イヤがるスミレと実家に帰り、父の部屋にテスト結果を置いた。



では、俺の部屋へ。



「いつ来てもお坊ちゃま…」

「そうだよ~」

「お母さんは…」

「知らない。最近は滅多に部屋から出ないらしいし」



兄貴が消えてから。



母親はおかしくなったみたいだ。



出来のいい兄貴を溺愛してたからなおさら出づらいんだろうけど。



会わないなら会わないでいい。



昔から俺には期待なんかしてないんだろうし。



「卒アル見たい」

「見る?超マジメだよ」

「見たぁい!!」



中学の頃の俺を見せた。



黒髪にストレート。



制服だってちゃんと着てた。



「び、美少年…。ってか、カワイくて持ち帰りたい…」

「変わってねぇじゃん」

「変わってるよね?何でこの子がこんなにチャラくなるんだろうか」

「今よりモテたよ、この頃」

「知らない!!小さい陽ちゃん、知らないもん…」

「カッワイイ~!!スミレ、ヤキモチ?」



プクッと膨れた頬がカワイイ。



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