ラブハンター
とりあえず設定温度を下げた。



寒いくらいになればいい。



俺も若菜に触りたい。



「若菜に聞きたいことがある」

「なんです?」

「お前の進路はどうなってる?」

「進路ですか?ん~、最終的には専業主婦とかですかね?やりたいこととか、特にないです。なるようになるかなって」

「旅館…とかは…」

「旅館!?楽しそうですね、それ。接客とか、人と関わるお仕事はやってみたいです」



イヤではないらしい。



まぁ、明るい方ではあるんだと思うし。



若菜にはあってるかも…。



「お前、俺が見合いして旅館を継ぐことになったらどうする?」

「イヤです!!お見合いなんか、絶対イヤですよ。何かのドラマとかですか?」

「いや、俺の話し」

「へっ!?ケントさんの!?旅館って…?」



若菜に俺の置かれてる立場を話した。



父親のこと、祖父のこと。



こんなに自分から話したことがないくらい話した。



ソレをちゃんと聞いてくれた若菜。



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