ラブハンター
溢れ出した自分の気持ち。



俺は祖父が好きだという、正直な思い。



人に話して初めて気づくことがあるらしい…。



「ケントさんは、お祖父さんの旅館を継ぎたいんですね?」

「それはわからん。俺には向いてねぇ」

「やってみなきゃわかんないですよ?」



どうなんだろう。



俺は旅館を継ぎたいのか?



よくわからん…。



でも、俺は俺なりに悩んでるらしい。



「若菜、女将やるか?」

「いいんですか!?」

「…………」

「ケントさんと一緒に働いて、人と関わる仕事ができたら、きっと楽しいですね!!」



いや、今のは勢いだ。



結婚なんか考えてるわけじゃないし。



まず、無口な俺が、見合いで結婚なんかしたってうまく行くはずもないだろうけど。



若菜は俺をわかってくれてる…。



結婚するなら、若菜がいい…。



「ケントさんの進路は決まりましたね」



そう言って笑う若菜が、やっぱり好きだ。



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