ラブハンター
風呂から出たら、杏里が缶のカクテルを飲みだした。



「尚道も飲む?」

「酒で甘いのパス」

「そ。あぁ、久しぶりのアルコール~…」



きっと、滅多に飲まないんだろう。



幸せそう…。



「飲んだら横になりな」

「なんで!?」

「気持ちいいことしてあげよう」

「エロいこと?」

「純粋にマッサージだから」

「なんだ、シないのか」



シたいのかよ。



疲れてそうだから気遣ってやったのに。



空になった缶をキッチンに片づけた杏里が、長座布団に横になった。



「うぁっ、ヤバい…」

「ケツ小さいな」

「そこの骨っ…ぬぅぅぅ~…」

「寝てもいいから」

「ダメだよ、千里んとこ…あっ…それいい…」

「何時に行く?アラームかけとくし」

「4時くらいには実家っ!!行くぅぅぅ~…」



了解。



4時に行くんだな。



って、4時間しか寝れねぇじゃん…。



「尚道ぃ…」

「ん~?」

「ありがとう…」



そう言って、杏里は寝た。



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