ラブハンター
モジモジしてて、いかにも女の子って感じ。



「あのさ、悪いけど付き合えない」

「好きな子とか…いるの?」

「そういうんじゃない。ただ…」



可もなく不可もなくなんて言ったらダメなんだっけ。



なんて言えばいいんだ?



「木下さんに興味ねぇから」

「ひどいっ…」



えぇぇぇ~…。



だったらなんて言えばいいんだよ…。



わかんねぇなぁ…。



涙目で教室に入ってった木下さんにため息。



「悠ちゃんサイテー」

「うっせ…」

「もっとやんわりフってやれよぉ~。泣いちゃうって」

「…………」

「クールだねぇ、悠大。じゃ、授業始まるから~」



陽のバカ。



お前は慣れてっかもしんねぇけど、俺はこういうのが苦手なんだよ。



自分の教室に入ったら斎藤と目が合った。



気まず~…。



見てんじゃねぇっての。



「悠大くん、今日みんなでカラオケ行くんだけど一緒に行かない?」



そこには数人の男女。



俺、誘われてる?



でもカラオケ…。



「行かない」



人前で歌うの、苦手。



< 27 / 340 >

この作品をシェア

pagetop