ラブハンター
一瞬、空気が冷たくなった気がした。



「わかった~、また今度ね」



また今度…。



その言葉が嬉しくて。



コクッと頷いた。



「感じわりぃ。だから誘うなっつっただろ」



小さく聞こえたその声。



俺、なんか間違った?



席に座り、考えるけどわからない。



「バカ」

「はぁ?」

「あんな断り方したら感じ悪いにきまってる」

「どうしてだよ…」

「わかってないんだね~。だから友達できないんじゃん」



誰ともつるんでない斎藤に言われたくねぇ。



なんで席近いんだよ。



俺、お前が嫌いだ。



始まった授業でもイライラ。



昼休みは校舎の裏でひとり。



パンとストレートティが昼メシ。



あんまり人付き合いをしたことがないから、人との接し方がわからない。



さっきはマジで嬉しかったのに…。



何で伝わんねぇんだろ…。



その日は気分がよくなくて、重い気持ちのまま家に帰った。



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