ラブハンター
帰った家にはケントさんがいて、この人は無口。



俺から話かけなきゃ、口を開かない。



「ケントさんって友達います?」

「いらねぇ」

「そうですか…」



尚さんは友達多そうだし、学校で見る陽は常に周りに誰かいる。



人付き合いって、難しい…。



しばらくしてスーパーの袋と一緒に帰ってきた陽は俺の唯一の友達…。



「陽、メシなに?」

「メンチカツ」

「ふぅん…」

「悠大、なんかあった?」

「俺ってなんだろ…」



今まではすぐに引っ越すことがわかってたから。



別に今日みたいなことになっても何とも思わなかった。



なんだろ、ショック受けてる…。



「友達できね…」

「あぁ、そうらしいな。お前、なんて言われてっか知ってんの?」

「知らない…」

「冷徹王子~」



俺が冷徹?



自分で言うのもなんだけど、そんなに性格は悪くないと思う…。



このまま孤立して行くんだろうか…。



ひとり、か…。



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