ラブハンター
嬉しすぎて、バイト先にやってきた。



「何だ尚道。今日休みだろ」

「店長、俺、今月でバイトやめる」

「はぁ!?」

「やりたいことが見つかりました。本気で、自分の人生かけてみます」

「そうか、後少し、店に貢献してくれよ?」

「はい!!」



やるからには全力だ。



もう迷わず進む。



働いていた杏里が終わるまで、近くのファミレスで時間をつぶした。



「ちょっと尚道、どういう…こと…?」

「俺、ちゃんとサッカー初めてみる」

「ちゃんとって…」

「プロになって、夢を叶える。気づかせてくれたのは杏里だよ」

「よ、よかったね…。サッカー、本当に好きなんだ…」

「好きだよ。杏里、マジでやるから。見てて」

「うん…」



浮かない顔。



杏里にそんな顔させるために言ったんじゃないのに…。



「これからは尚道に会わなくなるってことかぁ~」

「は?何でそうなんの?」

「あたしと尚道の関係なんか、バイト同士ってだけでしょ?」



マジで言ってんの?



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