ラブハンター
俺ってその程度?



バイトやめたら今の関係も終わんの?



「ふざけんなよ…」

「あたしは尚道の彼女じゃないし。自分だって好きなことできるでしょ?」

「俺ってそれだけの存在?マジで都合のいい男?」

「それ以外に何があんの?前にも言ったじゃん」

「わかった、もういい…」

「じゃ、ごちそうさま」



店を出てった杏里が見えなくなるまでズット見てた。



杏里にとって、俺はどのポジションだった?



本当に都合のいい男?



後を追うように店を飛び出し、帰宅ルートを探す。



いつも別れてた道の近く。



公園のベンチ…。



街灯に照らされた杏里の肩が震えていた。



ダメだ。



手放しちゃ、きっと後悔する…。



「何泣いてんの…」

「尚道っ…何でくんの!?」

「俺を都合のいい男にするなんて、100年早い」

「尚道のくせにっ!!なんなの!?今更っ遠い存在にっ…」

「遠くないよ。俺は俺だから」

「尚道にあたしは重いからっ!!」



抱きしめた。



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