ラブハンター
自分が思ってるより、俺は杏里が好き。



後悔するくらいなら、当たって砕ける。



それが俺だよ。



「千里くんも含め、俺は杏里のそばにいたい」

「ムリだから!!そんなデカいこと言われてっ…尚道の負担になるのはイヤだっ!!」

「何で?俺たち、何か始まってんの?まだ何も始めてないよ」

「ヤダっ、離して!!誰も好きになんない!!男なんていらないからっ!!」

「どの口が言ってんだか。杏里、俺のこと好きじゃん」



好きだからそんなに取り乱すんだ。



好きだから、こんなに泣くんだろ?



自惚れさせてもらうよ。



杏里は俺が好きだって。



「杏里、結婚前提に、俺と付き合ってください」

「何っ言ってんの…?」

「いずれ、千里くんのパパにしてよ。がんばるからさ」

「意味…わかんないっ…。尚道に得なんかないのに…」

「ありまくりですけど。超いいパパになるよ、俺」

「尚道なら…そうだろうね…」

「いい彼氏にもなるし、いい旦那にもなる。だから、俺だけに甘えてよ、杏里…」



女にこんなに泣かれたのは初めてだった。



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