ラブハンター
身の程ってのはわきまえてる。



「俺なんかに好かれたら迷惑だ」

「決めつけんな」

「今までがそうだった」

「お前はそうやって自分で線を引くからダメなんだ」

「…………」

「まずデートにでも誘ってみろ。相手が好きなものとか、知らないわけ?」

「猫…?」



よっさんにそれを相談した2日後、朝起きたら動物園のチケットがドアの隙間から顔を出していた。



誘えってことかよ…。



『仕事まわしてやんねぇぞ』



しかも手紙付きで…。



誘うだけ誘ってみるか…。



なんて言えばいいのかわかんねぇけど…。



その日の放課後、やっぱり公園で会った。



「こんにちは、猫さん」

「土日、どっちかヒマか?」

「へっ!?」

「……行くぞ」

「あっ、はい…」



拍子抜けしたような顔でチケットを受け取った。



よしっ!!



「どこで待ち合わせます?」

「近場の駅。10時」

「わかりました!!楽しみにしてます!!」



土曜日、俺は人生初のデート。



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