ラブハンター
そして帰り道は途中まで同じ。



「柴田さんってフリーター?」

「まぁ、そんな感じ」

「へぇ~、就職難だしね」

「仕事が夜だと昼間に時間使えるからさ。給料いいし」

「まさか昼間もバイト?」

「家にいる」



話しやすくて落ち着く人。



他人に深入りはあまりよくないけど、シェアし始めてからなんとなく他のヤツらが気になるから。



癖みたいになってんのかも。



「村上君は欲しいものでもあるの?シフト見たけど激務じゃん」

「ん~、別にない。一応家賃とかの仕送りあるし」

「まさかその歳で貯蓄っ!?」

「あははっ!!勝手に貯まってく感じはあるね~」



使い道がないバイト代。



困ったことに趣味もない。



だからバイトした金ってのは、あまり使わずにそのままになってる。



「社会人になってもこのままかも」

「彼女でも作ったら?」

「彼女…」

「モテそうじゃん、出会いも多そうな大学生」



なんだか…一線引かれてる?



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