ラブハンター
斎藤のそんな顔、初めて見た。



ビックリとか、するヤツなのか。



「何歳からやってるの?」

「一応7歳。共感してくれるヤツいなくて、いつもひとりでやってた」

「すごいね…」

「斎藤の特技は?」

「何で教えなきゃなんないの?」



今、褒められたばっかりだったのに。



すぐ冷たくなるヤツだな。



掴みづらい…。



「なぁ、斎藤は何でひとりでいんの?」

「わかんない。楽だよ、ひとり」

「寂しく…ねぇのかよ…」

「杉田はあたしの友達なんでしょ?寂しくないよ」



大人だな。



俺はひとりより、ワイワイしてる場所が好きだけど。



自分が目立てないタイプだから、その場にいるだけで満足。



また斎藤の近くに座り、木に寄りかかっただけで何もせずに目を閉じた。



どれくらい経ったかわからないとき、目が覚めて自分が眠ってたことを知った。



斎藤はまだ寝ていて、美人な顔が無防備になってる。



コレ、ひとりで寝てたらマズいって。



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