ラブハンター
1週間に1回、1万5000円が食費用財布に入る。



俺たちが払ってる家賃から出されてるらしいけど、光熱費なんかも合わせたら、家賃なんかほぼないような気がする。



「あっ、俺も今日バイトだから。まかない食ってくる」

「じゃあ3人分?」

「仲良くな?」



社会人のよっさんと、バイトしまくり大学生の尚くんはこうしてメシを食わないことも多くて。



今まではあの無口なケントと一緒だったから悠大が来たことは、俺にとって嬉しいこと。



ケントから食費用財布をもらい、悠大と家を出た。



「悠大、転校初日でモテそ~」

「俺なんか普通じゃん」

「カッチョイイよ」

「言われたことない」

「部活とかやる人?」

「やんねぇよ。俺、ダンスできればいいし」



ダンスやってんのか。



だからこんなにいいカラダしてんのかぁ~。



「誰かとやってんの?」

「ひとり。転校ばっかで馴染めないまま次の場所だったから」



かわいそうなヤツだな。



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