ラブハンター
昔から血なんか見慣れてる。



だけど、あんなにボコボコにされたヤツってのは初めて見た。



俺だってそこまでやんねぇ。



アレはやりすぎだ。



ケンカの域を超えた暴力だと思う。



悠大の荷物と、コンビニで買ったお茶を数本持って病院にやってきた。



ノックしても返事がなく、静かに開けると悠大は起きていた。



「ケントさん?」

「顔、ヤバい…」

「口開かない。笑うと顔痛い。耳、よく聞こえないんスけど」

「一時的なもん。鼓膜いったんじゃねぇの」

「ヤバい、ケントさんだ」



なにがだよ。



俺が来たことがそんなにおかしいか?



しかも手にはコンビニの袋…。



完璧に見舞いスタイルじゃねぇか。



「目は?平気か?」

「片方腫れてて開かないけど、たぶん平気っスよ。これでも顔は守ったんだけどなぁ~…」



守ったにしてはやられすぎ。



細いけど、筋肉がある悠大はそんなに弱いようには見えない。



一方的か…。



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