ラブハンター
次の日、若菜に会った。



確実に釣り合ってない俺たち。



なかったことにしてやめるなら今。



今ならまだ間に合う。



俺なんかに好かれない方が若菜だっていいはずだ。



「もうすぐ夏ですね」

「若菜」

「はい?」

「今日で終わりにする」

「何をですか?」

「お前と会うの」

「えっ…?」

「後戻りできるうちに、俺を嫌え」

「イヤです。ムリです。それに、まだ何も伝えてないのに…フらないでください…」



これ以上話てたら、俺は若菜を手放せない。



好きがでかくなる前に…。



俺を嫌えばいい。



「明日から来ない…」

「何でですかっ…」

「俺とお前は違うから」

「違わない!!同じ人間です!!」

「とにかく、明日から来ない」

「待ってます!!ケントさんが来てくれるまで…」



逃げた。



若菜の顔を見てたら、もっと好きになるから。



だから背を向けて逃げた。



俺はどうしようもないヘタレだ。



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