ラブハンター
正直、最近彼女もいない俺には甘い誘惑。



しかも相手は美人な柴田さん。



「いや~、働きづらくなるでしょ」

「根性なし」

「冷静に考えてみなよ。相手、俺だよ?」

「できもしないなら、初めから言わないでよ。結局いい人で終わりだね、村上くん」



ムカついた。



俺だって男だ。



バカにされて、黙ってられるほど大人でもない。



「わかった、ラブホならいい」

「ちなみにあたしお金ないけど」

「大丈夫、俺の使い道のないバイト代」



ファミレスを出て、まずバイト先の居酒屋に原チャと柴田さんのチャリを置きに行った。



お互い無言。



柴田さんの心が、全く読めない。



歩いてやってきたのは、小さなラブホ。



テキトーな部屋を選び、一緒に中へ。



「先、シャワー使うけど」

「ん、どーぞ」



ぜんぜん動じてない柴田さんに、ソワソワしてる俺。



まるで高校生の時みたいに。



初めてできた彼女の部屋に入った時みたいな、どうしたらいいかわからない気分。



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