ラブハンター
柴田さんが出てきてから、入れ替わりで俺がシャワーを浴びた。



部屋に戻ると、柴田さんはバスローブ姿でベッドの上。



変に緊張してきて…。



「電気、消して?真っ暗がいい」

「ソレ、気分乗んないんだけど。誰とヤってんのかわかんねぇじゃん」

「ヤダ、消して」



ベッドに乗り、枕元にあったスイッチで照明を落とした。



相手は誰でもいいんだろうか。



俺じゃなくても。



「下の名前って、なんだっけ?」

「尚道」

「じゃ、尚道」

「柴田さんの名前、知らない」

「杏里(アンリ)」



暗くて見えない柴田さ…杏里の顔。



長い髪が手に触れ、それを辿って顔に触れた。



「キス、していい?」

「ん…」

「後悔しても知らねぇから」

「今だけでいい。甘えさせて…尚道…」



甘えたかったらしい。



その気持ちに応えるように、ひたすら甘やかした。



見かけによらず、高い声で鳴く。



俺だけが知ってるような気がして、なんだか嬉しくなった。



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