ラブハンター
やたら俺の存在を確かめるように、抱きついてくるみたいに…。



最後は杏里が望んだ腕枕。



かなり夢中になっていたことに気づき、自己嫌悪。



ヤってしまった…。



「ヤバい、落ち着く…」

「寝ていいよ、アラームかけるし」

「大丈夫、もう少ししたら帰るから」



えっ!?



泊まりじゃねぇの!?



マジでヤりに来ただけ…?



「お腹とか腕とか、すごいね。ムダがない」

「そう?」

「なんかやってるの?スポーツ」

「やって…た。まぁ、過去形で」

「今は?」

「なにも」

「やればいいじゃん。尚道、足とか早そう」



その話はイヤだ。



話題を変えたくて、話を杏里に振った。



「杏里は?スポーツとかやってた?」

「やってないよ。部活とか、入ったことない。悪かったからね、あたし」

「ははっ!!もしかして元ヤン?」

「そうだよ。若気の至り」



今までの中で、杏里をこんなに近くに感じたのは初めて。



壁がなくなった気がする。



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