ずっと大好き…この恋は秘密 …
4..『サヨナラ』
台風一過
「いい天気…」
みのりが自転車をこぎながら空を見上げた。
その日の空はまさに台風一過で
見渡す限り晴れ渡っていた。
天気とは裏腹に…
曇りがかったままの心に自然とため息がでる。
昨日は…
よく眠れなかった。
浅井さんの事が胸につかえて…
「みのり〜」
自転車置き場で祐に声をかけられた。
「祐ちゃん、おはよ〜。
電車のおかげで4連休じゃん」
「ね〜。
でもあの天気じゃね(笑)
みのりも月曜日は午後学校なかったんでしょ?」
祐の『月曜日』が耳に入った瞬間…
浅井とのデートが頭に浮かぶ。
一昨日の夜から今日の朝まで
一時も頭から離れなかった出来事…
「あぁ、うん。
そうそう」
不自然な返事に
祐がみのりの顔を覗き見る。
「…なんかあった?」
祐をちらっと見て
みのりはゆっくりと静かにうなづいた。
「放課後…
話せる?」
祐が少し不思議そうに微笑んでうなづいた。
台風で流された授業も
今日は天気のようにスムーズに進む。
思わず4連休になった電車組は
見るからにだるそうに授業を受けていた。
みのりもその様子を見ながら
あくびを手で隠す。
眠れなかった理由は…
ドキドキなのか…
罪悪感なのか…
自分でもよくわからなかった。
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