ずっと大好き…この恋は秘密 …
浅井さんの車の中の匂い…
よく見せてくれる笑顔…
低い声…
『おまえ』って呼ぶところ…
ミートソースしか食べられないところ…
運転席の浅井さん…
たまに見せる
寂しそうな目…
あったかかった手…
止まった10秒…
借りたジャージ…
優しい言葉…
浅井さんの優しさ…
全部
全部好きだと思った。
何度も好きだって確信した。
「本当に…大好きだったんだ」
涙をこらえながら言うみのりに
祐がうなづく。
「…うん」
下唇をかみしめて…
みのりが口を開いた。
「…でも
『サヨナラ』する…」
「…うん」
祐がどんな顔をしていたのかわからなかった。
ただ目の前をぼやけさせる涙が
こぼれ落ちないようにする事に必死だった。
.