ずっと大好き…この恋は秘密 …


授業が終わり校舎を出ると
きれいな青空が広がっていた。





…いい天気






みのりはカバンと紙袋を持って
公園に向かう。




遠くで

救急車の音が聞こえる。



音のするほうを眺めながら門を曲がると公園が見えた。





…まだ来てない。




先週止まってたあの場所に
浅井の車は止まっていなかった。






『遅刻っ!』って言ってやる…

『待ってるから…』なんて言ったくせに…



最後の最後まで…

あたしをドキドキさせて…


あたしだけが好きなんて…

ずるいよ…





みのりは公園の中には入らずに

手すりに軽く寄っかかった。






…こうゆうのって

待つ方がドキドキするのかも…



…浅井さんはきっと

困った顔して気まずそうに話を切り出す。



そしたら…

『全然気にしないでください』って


明るく答えて…



『楽しかったです。

ありがとうござぃました』って…



笑う。




大丈夫、できる。



授業中、何度も頭の中でリハーサルしたし…



間違えないで…

かまないで言える。



最後に見る浅井さんは…

笑顔でいて欲しいから。





『サヨナラ』じゃなくて…

『ありがとう』で終わりにする。








…浅井さん

今日で最後だね…









まだ少し蒸し暑い風が
ジャージの入った紙袋を揺らした。









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