ずっと大好き…この恋は秘密 …
待ち始めてから2時間が過ぎた頃…
みのりはケータイを見つめた。
着信もメールもない…
何度問い合わせても浅井からの連絡は入っていなかった。
…帰ろ
みのりが手すりから体を起こす。
寄っかかってたおしりが少し痛かった。
…朝自転車で来てよかった。
みのりは学校の駐輪場に向かって歩き出す。
…9月だから17時過ぎてもまだ明るいし。
あたし…ついてるな。
学校の横まで歩いたところで…
みのりの足が止まった。
体育館から灯りがもれていて
バスケットボールの音が聞こえる。
…浅井さんは
初めから来るつもりなんかなかったんだ…
あたしに諦めさせるために…
待ちぼうけさせるために待ち合わせしたんだ…
そうだよね…
あたしバカだから…
会っちゃったら言えないかもしれないもん…
だから…
浅井さんが正しいよ…
我慢した涙が…
喉に詰まって苦しかった。
口を開いたら…
涙が溢れてしまいそうで
固く口を結んだ。
みのりは持っていたケータイを開いて
メール画面を出した。
浅井に…
4文字だけのメールを作る。
…あんなに練習したのに
『ありがとう』も言えないなんて…
笑顔で終わらせる予定だったのに…
浅井さんの言うとおり
あたしはやっぱり『ガキ』だね…
でも…
これ以上書くと
止まらなくなるから…
浅井さんが言おうとしてた言葉…
あたしが…
言いたくなかった言葉…
最後のメール…
『送信』
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