ずっと大好き…この恋は秘密 …
「じゃあ時間までコース回って」
終了のベル8分前に
みのりの車は教習所に戻った。
「…そういえば乗る車の番号って決まってるんですか?」
「あぁ、大体決まってるよ。
だから、これはオレの」
先生が窓ガラスをコンコンと手の甲で叩きながら言う。
その仕草に…
またしてもみのりの胸が高鳴る。
「…だからタバコ臭いんだ」
「あぁ…
おまえお子様だからな(笑)
大人になれば
おまえも落ち着くようになるよ」
みのりのイヤミを先生は軽くかわす。
『大人になったら』
…先生は
あたしをどのくらい子供だと思ってるんだろ…
ふとそんな事を思った。
同じ車内に二人きりなのに
先生はみのりを生徒としか…
子供としか見ていない。
そんな当たり前の事が
少し…
本当に少しだけ悲しかった…
教習を終えて家に帰っても
制服に残るタバコの匂いが
みのりの胸を締め付けた…
タバコの匂いが
先生の笑顔を思い出させるから…
.